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食事: 遺伝子組み換え技術による花粉症緩和米の商品化は延期

スギ花粉症の症状を緩和することを狙った花粉症緩和米の商品化が延期になったそうだ。 食品として販売しようとしていたが、厚生労働省から医薬品としての治験が必要と指摘されたらしい。 世の中には遺伝子組み換え技術への抵抗感が大きいようだが、花粉症が辛い人には朗報になっただろうに残念なところである。

この米にはスギ花粉症を引き起こすタンパク質が組み込まれており、これを毎日食べることでアレルギー反応である花粉症を抑えようと言うもの。 上記の新聞記事にもあるように、身体を慣らすと言うのがわかりやすい。 この方法は既に花粉症の治療としてきちんと行われており、現在は注射でスギ花粉のタンパク質を身体に入れて慣らして行くようだ。 注射となると定期的に病院に通う必要があり、患者さんにはかなりの負担だったらしいが、お米のように日常の食事で食べるものなら負担がかなり軽減されると言う訳だ。

何故か忌み嫌われることが多い遺伝子組み換え技術の、有効な利用法の提案だっただけに、その意味でも今回の商品化延期は残念に思う。 ただ、確かに治療行為の代替となる以上、しっかりとした治験を行ってから商品化するべきと言うのも正論だ。 幸い私はまだそれほど花粉症がひどくないので、もう少し待ってみようと思う。

日常: 個人差の決定に遺伝子のコピー数も関連している?

東京大先端科学技術研究センターなどの共同研究で、遺伝子のコピー数が個人によって異なっていると判明したそうだ。 Slashdotでも、約3000個の遺伝子にコピー数の個人差、と言うストーリーが掲載されている。 これまで個人差と言えばゲノム上のSNPsにより、遺伝子の発現パターンや機能に違いが出ておこる、と考えられていたようだ。 今回の研究結果から、コピー数による発言量の違いにも原因がありそうだと言えるとのことだ。

基の論文を見ないと良くわからないが、遺伝子のコピーが複数存在したとしても、通常は発現パターンが異なる複数の組み合わせのため、複数存在してもそれが単純に発現量の増加につながるとはいえない。 ある程度の転写量になるとフィードバックがかかり、RNAiなどで逆に発現量が減少してしまう場合もあるはずである。 ただ、今回のように大規模にゲノム解析が出来るようになったと言うのは、かなりの技術進歩と考えられ、今後の解析が加速することが期待される。

大学にいたときは少なくともNatureはオンライン版が読めたので、こう言う面白そうな論文を実際に確認出来てよかったが、完全に離れてしまった今は、新聞などでしか確認できないのが残念だ。 新聞の記事はあくまで一般の読者向けに、用語も噛み砕いて説明しており、その分深い説明は出来ないし、間違った説明をしているときもあった。 今回の感想も推測で言っているに過ぎない部分もあり、こうした知識欲が満たされないのは悔しいものだ。

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