本: 封神演技 完全版18
藤崎竜の漫画で、中国の「神話」である「封神演技」を漫画化したものである。 ストーリーにはかなりオリジナル要素が加えられていて、「藤崎版封神演技」と言えるだろう。 昔、漫画「封神演技」がジャンプに連載中に読んでいたのだが、いつの間にかジャンプを読まなくなり、「封神演技」のラストも知らないままだった。 原作の「封神演技」まで読んだものとしては、この完全版で「藤崎版」のストーリーも確認しておきたかった。
ストーリー自体はネタバレとなるので、ここには書かないことにするが、ちょっと無理にまとめたなあ、という感じである。 知り合いが「藤崎竜は短編の方が得意」と言っていたが、私もなるほどそうだなあと感じた。 もともと原作もキャラクターが多く、強い敵が出てくるとさらに強い味方が現れて解決、と言うパターンなのだが、「藤崎版」も多すぎるキャラクターをいまいち活かせていないように感じる。
18巻で描かれるラストにしても、人間達が本当に軛を脱して生き始めたのか、よくわからない。 原作は仙人達を「神に封じて」中国に神々が生まれた、と言う話なのだが、それを人間達の巣立ちの物語へと昇華させたアイデアは、朱紅い雫にも通ずるところがあり、私好みの話だった。 だが、なんとも消化不良な結末になったのが、何とも悔やまれる。